裁判を傍聴する事を趣味とし仕事としているライターの本。
冒頭の、一番沢山行われている刑事裁判は圧倒的に窃盗なんです。
でも、窃盗の裁判の傍聴者はとても人気が無く少ない。
性犯罪の裁判傍聴が最も人気でいつも満員というのが、そりゃそうかと、人間て、、、
という気持ちになる。
筆者は野次馬根性でも不純な動機でもなんでもいいので是非裁判を傍聴して欲しいという。
裁判員制度も始まっているし、実際に傍聴すると報道だけでは見えない視点というのが見えてくる。
読んでて感じたのは、建て前は、司法の原則は、「疑わしきは罰せず」なんですが、これを律義に守っていると殆ど無罪になっちゃう現実もあって、やっぱり現場は「疑わしきは罰する」が行われているんだなという印象。
検察はちゃんと取り調べた上で立件しているというバイアスが裁判官にやっぱりあるみたい。
被告が、発言した事を都合よく拡大解釈して調書が造られたり、酷いと、とりあえずここにサインしてと言われ訳も分からずサインしたら、それが調書にとして作られているなんて事が本当に起きているみたい。
これは警察の検挙ノルマ数とか、犯人逮捕しましたというメンツが重んじられる場合が多く、これは間違えたか?と薄々気が付いてもメンツの為になにがなんでも犯人に仕立てるみたいな力学が働いているみたい。
恐ろしい。
恐らくそういう実態なので、警察は他の先進国で行われている取り調べの録画を未だに頑なに拒んでいるのかもしれない。
映画 それでもボクはやっていない と同様に、痴漢も被害者にこの人が触りましたって言われたらいっかんの終わり。
間違いでも、略式起訴で認めるのがベターなのか、、、悔しいけれど。
公正を求めて長い長い裁判に打ってでても、被告の言い分が通る可能性は極めて低いんだという事例が載っていた。
女性が、こんな泣いて訴えているんだから嘘でそんな事言うはずがないという裁判官の判断。
男としては本当に満員電車に乗るのが怖くなりますね。
鉄道会社も天井から無数のカメラで録画するの義務化しないとダメですね。
鉄道警察も、思い込みでこいつがやってるところ見ました!て逮捕しちゃうのも本当にあるみたい。
それが間違いでも、逮捕しちゃった手前、間違いでしたごめんなさいは決して言わず、最後まで立件しちゃうんですね。
裁判官もベテラン刑事がそう言ってるんだから有罪ってなりがちなのは本当に恐ろしい。
そんな感じで、裁判の実態が色々見える良書でした。
こちらもKindle Unlimited です。