人類の生活を大きく変える可能性のあるAI(人工知能)という技術と、BI(ベーシックインカム)と呼ばれる制度。
どちらかというとBIに重点が置かれて書かれている。
AIがどこまでゆきそうか。
最終的には映画ターミネーターのスカイネットのように自ら思考し人類を乗り越えてゆく存在になり得るけど、現在AIができている事、近い将来できるようになるであろうことから予測するとかなり先の未来になりそう。
近々では特化型AIが台頭するでしょう。
車の運転は出来るけど、医療診断はできない。言語翻訳は出来るけど、法律判断はできない。
医療知識をディープラーニングした経験を応用して法律知識を身に着けるみたいなAIができるまでにははるかに高い壁があるのでスカイネットの登場はまだ心配しなくてよい。
AIに関しての話ならこちらの本の方が詳しい。
ただ、AIを管理する人間がどうあるべきなのかは人間側で規制してゆかないと恐ろしいことになる可能性がある。
富が独占され、生存権などが一部の人間に握られる可能性がある。
そうなってしまうと長期的には人類の滅亡に繋がってゆく話。
再分配により富が過度に集中しないようにして、多様性を維持して人類が永続してゆく手段としてBIが一つの方法として期待されている。
BIはメリットばかりなのですけど、乗り越えなきゃいけない壁が一応ある。
著者は乗り越えられない壁ではない!と力説しているが、読んでいるこちらは日本においては乗り越え難い壁だと感じました。
既得権益者の利益と反する事が多いので、余程日本が追い込まれるか、他国でBIが主流にでもなっていかない限り導入されないだろうなと。
BIも実験をしている国はあるものの、内容が限定的だったりして、本当のBIを導入した際どうなってしまうのかみたいなのはどこにもデーターがない。
これはやってみるまでわからないのでしょうね。
狙い通りの好循環になるのか、かつての社会主義国のように壮大な社会実験失敗となって終わるのか。
どのみち既存の自由資本主義は行き詰まりをみせているのでBIを含め人類はなにか解答を見つけないと、AIがつくるディストピアなシナリオへ向かいそうですね。
個人的にはBIの思想自体は支持してます。
本書はAIとBIの入門書としてなかなか良い内容でした。
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