いい仕事してますね~
なんでも鑑定団でおなじみの中島さんの著書。
おもしろかった。
本当は先に村上龍の「すべての男は消耗品である 完全版」を読んでたんですけど、30年分の連載のすべてなので読んでも読んでもページが減らない。
読者が消耗しちゃう、、、
岡村さんが怒られてるけど、この本もなかなか怒られる内容ですけどねw
まあ、今回はそれは置いといて。
骨董の世界が垣間見える、そこまでしゃべっちゃっていいの?て内容。
本で書いてあるけど、中島さんは現役の骨董商を退いている。
なんでも鑑定団をきっかけに古美術鑑定家タレントに転向したそうです。
それには理由があって、番組の中での立ち位置と、業界のなかでの立ち位置に齟齬が生まれちゃって末にタレントの方をとった。
でも、本当は骨董や古美術、文化が大好きなんだけど、骨董商という立場でいると不本意な行動をとらなきゃならない事が多すぎるから前から嫌だなと思っていたんでしょうね。
ニセモノが存在する理由、骨董という特性所、もう再生産が効かないもの。
骨董商も食べていかなければならない。
本物ばかりを売っていると、どうしても薄利商売になっちゃう。
100万円の価値のあるものは売る時は110万円。
でも、ニセモノならば1万円のものを100万円で売る事ができる。
業界がビジネスと結びついたところから、ニセモノはどうしても必要なものとして発展してきた。
でも、昔の骨董商の世界はプロとプロの化かし合いで、その為のニセモノと言い訳していた。
素人を騙す為のものではないとしていた。←僕は多分そんなことなかったと思っている。
多分、業界としてはそういう文化物に関わる以上、骨董商じゃなくても騙される奴の方が見識浅く目が利かないので騙すよりも騙される方が悪いんだよっていう世界なんでしょうね。
面白かったのが、掛け軸でも茶碗でも、なるべく触れるときは当時の条件に近い環境で、そしてできるだけその土地で触れなさいというアドバイス。
掛け軸も、現代のあかるい照明じゃなくて、蝋燭ぐらいの暗い照明で観ると、凄い立体感を出したりする。
陶器なども、中国の陶器は中国で、瀬戸の陶器は瀬戸で買い求める。
土地の空気に触れることで、この青空がこの陶器をつくるインスピレーションになっているのかとかそういう事を感じれるそうです。
大エジプト展とかそういう出張展示は気軽でいいけれど、それだけでは情報量が足りないって。
僕にも体験がある。
知り合いのビンテージオーディオのマニア。
ビンテージオーディオを際立たすのは、その当時の音楽を再生すると真価が発揮されると。
お宅にお邪魔して、Western Electric社のウーハーにAltec社のホーンドライーバーの組み合わせ。
そこで、1950年代録音のクラッシックを聴かせてもらった。
最初は現代の機器とは異なるナローな雰囲気で見くびっていたけれど我慢して聞き続けると突然、艶と立体感を帯びてきたのでした。
音が見えるという体験をしたんです。
オーケストラが段になって並んでいるのが音から感じられて、本当に目に見えるように音を感じたのでした。
あれにはビックリしましたね!
多分あのスピーカーでJ-POPとか聴いてもちっとも心震えないんでしょうね。
現代のJ-POPのプロデューサーも、イヤホンで聴いた時に最高になるように録音チューニングしているというのを読んだことがあります。
中島さんが言う話しもそういう事だと思うんですよね。
他にも、ニセモノがでない本物は大したことがない。
ニセモノが生まれてこそ本物だ!
本物は、人の幸せを願って作られた純粋さが形に現れる。
ニセモノは、儲けてやろうとかの邪念が形に出る。
でも、同じニセモノでも純粋に本物に憧れ、近づき追い越したいと願っている意思があるものは意外といい仕事をしている。
骨董商と、鑑定士の関係など。
興味深い話が沢山読めました。
いま、祖父の遺品の片付けをしていて、こないだ掛け軸が出てきました。
父親がもしかしたら凄い良いものかもしれないから骨董屋に見せにいけよと言ってますが、これはそのまま廃棄した方が合理的じゃないかなって決断ができそうですw
骨董は、儲かる、儲かんないみたいな動機で近づかない方が良さそうな分野ですね。
百鬼夜行の世界ですね。
おもしろいので是非読んでみて下さい!
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