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【読書メモ】最終便に間に合えば 林真理子

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最終便に間に合えば 林真理子

 

最終便に間に合えば (文春文庫)

最終便に間に合えば (文春文庫)

 

 林真理子直木賞受賞作らしい。

KindleUnlimitedで読めるので読んでみました。

世はバブル。そんな時代の空気を反映してて面白かった。

男も女も虚勢張って生きてたんだなと。

短編オムニバス。

 

最終便に間に合えば。

男が女に奢ることが当然の時代に、女が男にいじらしくご馳走し続けるカップルの話。

そんな女の愛も男には全く伝わらない。

積み重なったストレスは些細なことがトリガーである日突然崩壊する男女あるある。

そんなチンケな男も他の女にさらわれるという終わり方をすると棘になってずっと残る。

ラスト、君と分かれたあとの彼女も君とおんなじだったよと語る彼。

そして、描かれてはいないが、昔の女にちょっかい出すあたり、恐らく結婚生活もうまく行っていなんでしょうね。

男は、え?俺に未練あったのと期待するけど、女はモヤモヤを抱えながら最後の最後に、やっぱりあの男はクソだわと確認がしたかったのだと気が付く。

 

男の身勝手さは、愛がなんだに出てくるナチュラルボーンクソ男と少し似てる。

books.richardh.work

 

 エンジェルのペンは林真理子や周辺の作家の体験記ぽい話。

プライベートの切り売りは時にリアルな人間関係にも影響することがあるのかなと想像させられた。

 

てるてる坊主はハゲを気にして髪に執着する男を笑う話。

その執着がみっともない事に気づいてみたいな。

それは確かにそうなんですけど、女の人のその言説も自分はハゲ無いと思っている立場から語っているようで少しイラっとくる。

女の人もハゲたら悩むと思いますよ。

 

ワイン。話もコミカルで面白いけど、出てくるファッションの描写や一流、二流みたいなこだわりがOKバブリーな空気が漂ってて面白かった。

 

京都まで。これが一番OKバブリー感が漂ってて面白かった。

男の悪口言いまくって、パス!てセリフとか。

おニャン子クラブ、女子大生ブーム、アッシー、メッシー。

20代の女の子が圧倒的価値を持って、男たちは、~ちゃーんて言いながらご機嫌伺っていた時代。

主人公の女性も負の性欲を振りまく。

年下なんて絶対ありえないてセリフもある。

物語中盤、恋に落ちて、高校生のように~ちゃんと言い合って恋愛して逆上せている彼女に友達は、あんたバカ?!と呆れ果てる。

多分、価値ある女が男に溺れるというのはめちゃくちゃダサいとされていた時代なんでしょうね。

見つけた真実の愛がやっぱり虚構だったというオチはなんとも物悲しい。

この時代の30歳で失恋というのは今以上の重みだったんでしょうね。

 

世の中全部が虚勢はって、大人とは男は、女はみたいな~であるべきにみんなが縛られていた空気が伝わる小説でした。

 

林真理子さんもそんな時代の空気に染められつつも、染まりきらない普通の女の子みたいなのを大事にされている方なのかなと感じました。

 

最終便に間に合えば (文春文庫)

最終便に間に合えば (文春文庫)

 

 

読書は読むから聴く時代ですよ!

本書も、アレクサアプリを使って隙間時間にながらで読み切りました。

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