内容的には 大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ とかなりかぶる。
怪獣映画としては95点、映画としては65点、エヴァンゲリオンとしては120点。
ゴジラのデザインや強さの表現がこれまでのゴジラシリーズの中で一番かっこいい。
この映画の良いところとして、役者の演技を封じているのが良いとの事。
岡田さんが言うには、日本の俳優さんは映画で演技させると下手だという。
それは役者に役を想像させて演技させるからその演技の感じが伝わって、リアリティーからかけ離れ観る人にばれるから。
これを早口長セリフという演出で演技をしばる事によって、本来日本人はそんなに表情豊かじゃないし、棒読みみたいな会話していることが上手く表現できていると。
演劇は、役者さんの演技力に頼るメディアだけど、映画は役者に演技させない方がリアリティーを生む。
スタンリー・キューブリック監督なんかも、映画のセットをカメラに映らない部分まで造りこんで、役者にその世界をリアルに体験させてセリフを言わす事をしているエピソード。
そういえば、2015年のジュラシック・ワールドでも、乗り物が落下するシーンは実際にジェットコースターみたいなものを作ってその表情を撮影していた。
驚いている演技じゃなくて本当に驚いている表情を撮る。
そういう手法は映画にしかできない。
岡田さんが言いたいのはそういう事でしょうね。日本映画のダメなところは役者さんを引き出す環境づくりの部分の弱さで、その点シン・ゴジラはそういうのを映画の造りでもってリアリティーを持たせているのを高く評価していた。
ダメだって言っている点は、牧悟郎博士の描き方。
謎めいた含みを持たせているけど、あんまりストーリーの中の駒として効いていない。
意味ありげに描いといて描ききれないならそんな人物は出すなという話し。
CGの部分、特に在来線爆弾の所は描き方が雑でダメという。
そうして良いとこ悪いところを挙げながら、岡田さんなりのシン・ゴジラの解釈を紹介する本でした。
内容的には 大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ と被るし本としてもそっちの方が面白いのでそちらをお勧めします。
シン・ゴジラは面白いですよね。
僕も劇場で観たし大好きです。
観てないひとは是非見て下さい!