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【読書メモ】家康、江戸を建てる 門井慶喜

家康、江戸を建てる 門井慶喜



 岡田斗司夫さんのYouTubeで紹介されていた本。
街づくりに不利だった湿地帯の武蔵の国を、京に負けない街へ都市開発してゆくプロジェクト小説。
史実を元に再現ドラマ仕立てで書かれているのでテンポが良い。
 
家康と各事業に従事した家臣たちをそれぞれ主人公として5話オムニバス仕立て。
どのエピソードも凄く面白かったが、家康が造らせた慶長小判誕生のエピソードが特に面白かった。橋本庄三郎、後の後藤庄三郎が物語の主人公。
一職人だった庄三郎が小判鋳造のプロジェクトリーダーを任される。
当時は大判が主流で小判は存在しなかった。
日々の生活のお金は、明銭などの外国銭で行われており、大判は報奨金など大きな財産のやり取りをするものだった。
十両の大判の10分の1の価値の一両小判を作ることにより、日常遣いに適したものにして、貨幣の発行権を上方から江戸へ移転することを目的とした。
良貨は悪貨を駆逐するという言葉がある通り、家康は上方の大判よりも金の含有量を多くした質の高い小判の鋳造を命じた。
 
これにより徐々に上方に流通している大判から江戸で鋳造している小判に貨幣としての信頼と地位を奪う作戦。
秀吉に対する経済戦争の側面があった。
それまでは、貨幣の権威は頼りなく、重さを測って確かめてからモノやサービスと交換していた。
ところが、慶長小判の登場により、小判の信用が確固たるものになると、重さをはからなくても、小判の枚数を数えるだけで価値を交換できる現在と同じ計数貨幣の概念が生まれることになった。
信頼が生まれれば、取引はより低コスト、スピーディーになる。
こういった技術革新が江戸の経済の下支えしていたのは、この本を読んで初めて知ることとなった。
 
江戸城築城の話もとても面白かった。
小説仕立てで史実に着色はしているでしょうが、とてもテンポよく読めるし、池井戸潤の小説みたいな質の良いサクセスドラマを読んでいるような痛快なエンターテイメント性があり、とてもお勧めです。
戦記である大河ドラマ どうする家康では描かれない、都市開発プロジェクトとしての徳川家康。ぜひ読んでみてください!

読書は読むから聴く時代ですよ!

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