前半は実に面白い!
典型的なとか、アイデンティティはとか、そういう枠が読んでてどんどん溶かされる思い。
今、大阪ぽいよねそれは!と思い浮かべるものの殆どが、戦後に形成されたもの。
多くは、テレビというメディアの登場で作られていったもので、戦前の大阪的とは随分違う。
そして、テレビや雑誌で語られる大阪像に、大阪人自体が寄って行ったところがあって、文化とメディアの相互関係を改めて考えさせられる。
そして、そういうイメージを商売で戦略的に利用していった結果、京都=日本のメインカルチャー、大阪=日本のサブカルチャーの発信地みたいな固定観念が全国的に広まったという。
1960年代は、阪神タイガースが好きって大阪人は殆どいない、それどころか中日ドラゴンズが好きな名古屋人もいなかった。
全国の野球キッズが好きなのは巨人一択。
地元球団を愛そうっていう流れは球団経営の中で努力によって造られていったもの。
おもろい大阪人もつくられた。
地方テレビ局は元来、東京キー局が作る番組を系列局が放送する商売だったけど、それでは旨味が少ないので、地方局制作で番組づくりに乗り出す。
お金も、スタータレントもない制約で、一般人、素人を取り扱った番組を多数手がける。
そこで、面白い素人というジャンルを強化していった結果、人々の意識がテレビ側に寄っていって、一般人も職場や学校で面白い事を言わないと人気者になれないという空気が出来上がっていったみたい。
今では、あんたも大阪人なんやからと、笑いハラスメントが起こるほどに陽気で冗談好きな大阪人像が定着しているという。
ど根性大阪も、大阪を舞台にしたテレビドラマのヒットが大きいらしい。
そのあたりの流れは実に興味深い。
ただ、後半は、東京のセカンド扱いされる事に我慢ならない筆者の思いがあふれてややくどい。
なぜか、大阪=エロの町みたいなイメージは、それは違うぞという弁明にめちゃくちゃページが使われている(笑)
凄い執着。
そこで面白かったのが、昔は 美人と言えば名古屋 だったという事を初めて知りました。
今じゃ全く想像つかない。
芸どころ名古屋で、一流芸者は名古屋が相場だったらしい。
読書は読むから聴く時代ですよ!
本書も、アレクサアプリを使って隙間時間にながらで読み切りました。
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